ゲノム解析により植物の環境ストレス耐性メカニズムを解明

課題

気候変動に伴う環境ストレスは、作物の生産性に大きな影響を与えます。筑波植物科学研究センターでは、ゲノム解析を通じて、植物の環境ストレス耐性メカニズムを解明し、耐性作物の開発に役立てることを目指していました。

解決方法

筑波植物科学研究センターの研究チームは、モデル植物であるシロイヌナズナを用いて、様々な環境ストレス条件下での網羅的なゲノム発現解析を行いました。得られた大規模な遺伝子発現データをバイオインフォマティクス解析し、ストレス応答に関与する重要な遺伝子ネットワークを同定しました。さらに、ストレス耐性が向上した変異体のゲノム解析により、耐性に寄与する鍵となる遺伝子を特定しました。

結果

ゲノム解析により、筑波植物科学研究センターは植物の環境ストレス耐性に関する新たな知見を得ることができました。例えば、干ばつストレス下で誘導される転写因子を同定し、その下流で機能する耐性関連遺伝子群を明らかにしました。また、高温ストレスに応答して活性化されるシグナル伝達経路を解明し、耐性獲得のメカニズムを解明しました。これらの知見を応用し、ストレス耐性が向上した作物の開発に成功しました。本研究成果は、気候変動に適応した持続可能な農業の実現に大きく貢献すると期待されています。